仲良く暮らすことの大切さ
子はかすがいという言葉
「子はかすがい」という言葉をきいたことはあるでしょうか?かすがいとは材木と材木とをつなぎとめるために打ち込む、 両端の曲がった大きな釘のことで、長年連れそった夫婦でも時にはうまくいかないことがあります。そんな時、縁を繋ぎとめる役割を担った子どものことを「かすがい」に例えて使われる言葉です。
もともとは古典落語の演目からできた言葉で、幼い子供が酒癖が悪く妻に愛想をつかれた大工の父親を母親との縁を取り持つ話ですが、取り持つ子供が幼いため、この「子はかすがい」の言葉を嫌う人もいるようです。
なにぶん、古典落語の世界の話なので、そこまで反応しなくともと思ったりするのですが、それほど夫婦仲というのは当人同士にしかわからない微妙な問題なのでしょうね。
妻がでていった話もある。
そんな「子はかすがい」の古典落語の歴史は古く、明治初期には妻だけが働きの悪い夫の元を去り、息子と父親で暮らすという設定だった時代もあるようです。
その設定はほとんど現代では使われることはないようですが、当時は夫婦が分かれたときに男の子は父親につくという慣習を踏んだものだそうです。落語といえども時代の流れを読み取って演じられていたということですね。
この古典落語ができた時代は人生60年頃ではないでしょうか。いまでは人生100年時代。結婚生活もそれに伴い長くなりました。この演目の子供や両親がもっと年配者として演じられるときがくるかもしれませんね。
長い時の間に不仲なこともある。
どんな船旅だって 順風満帆の楽しい航海ばかりではなく 波が高いときもあれば、荒れ狂う嵐のようなときもあるでしょう。結婚生活も同じで、同じ船にのっているのが家族ならば その嵐で揺れる船にのる家族全員が悪い船酔いをします。
そんなとき 舵をとることに専念している両親にすべてをまかせきるのではなく、同じ船に乗り込んだ一人としてそんな両親をサポートするのが子供の役割ではないでしょうか。
それは 子供は笑っているだけで可愛いという年齢から一歩進んで 「お互いの気持ちを労りあおう」と提案する立場です。そんなサポートができるようになった子供がいると思うだけでご両親は心強く思うことでしょう。
どんなことも普段からの準備が大切です。ご両親の仲が決定的に不仲になる前に ちょっとしたサポートがあれば それは回避できることかもしれません。
人生が長くなったからこそ、結婚30年を迎える頃はなにかと先々を考えてご両親はお互いに進むべき道を模索する年代。子育ても終わり、この先の二人の過ごし方を真摯に考え始めるころです。そんな時だからこそ、子供からのアドバイスは貴重なもの。ご両親の結婚祝いに大人なアドバイスを添えてプレゼントを贈ってみませんか。