夏の暑さが落ち着くと色鮮やかなものに焦がれる季節の到来です
暑いと木陰を作ってくれるグリーンの葉っぱや、力強い樹木、また逞しい雑草にさえ力強さを見出し、つい見惚れてしまうのですが、涼しくなると赤や黄色の美しさを暑苦しくなく眺めることがで、また秋空とのコントラストさえ楽しむ余裕がでてきますよね。
自然の移り変わりを楽しむ心はとても大事なことだと思います。それは自然に敏感である必要があるのではなく、時を流れること実感できるからです。どんな人にさえ、等しく与えられている1日24時間という時間。ですが、その人の環境や状況により、その時間を長く感じることもあれば、とても短く感じることもあるでしょう。またものごとには寿命があるように、その一瞬を消費して尽きる命もあるでしょう。
人に例えるのは辛くとも、この間までうるさいほどに鳴いていたセミの声はもう聞こえず、今は草陰から聞こえる鈴虫たちの泣き声が盛大です。
不謹慎な言い方かもしれませんが、人の寿命もおなじこと。永遠に生き続けると思っていた大切な人がある日突然、遠い世界に旅立っていってしまった。それもなんの予告もなしに・・・。それは決して他人事ではなく誰の身にも起きること。そんなツライ体験をして初めて「もっと話しておけばよかった。」と人は反省するものです。
なのに、時が経てば、また自分の身近な人たちには永遠の命が与えられているがごとく接してしまう。あれほど、セミの声や向日葵たちが限りある時間を教えてくれているというのに。
でも、そうやっていろんなことを忘れたりしながら人は元気にその日その日を生きているのかもしれませんね。自然は、飽きることなく時間の大切さを教えてくれます。ときどきその教えに耳を傾けて、自分の周りを見回すことが自然を愛でる本当の極意なのかもしれませんね。(大切な方に美しい薔薇の花をあしらったワイングラスをどうぞ)