日本人の寿命は 男女の平均で83歳。米寿のお祝い88歳は、平均寿命を越えたお祝いです。第二次世界大戦以前は男女とも平均寿命が50歳前だったので、その50歳を越えて60歳を迎えることは大変めでたいことであり、還暦祝いといって身内・親族でお祝いしたものです。その後、平均寿命も延びて定年退職の年齢が60歳になると、60歳は還暦といった長寿のお祝いの意味合いより社会からリタイアして家庭にもどる退職のお祝いのイメージが強くなりました。
その後70歳の古希祝いや77歳喜寿祝い 80歳傘寿祝いなどありますが、やはり平均寿命を越えて今も元気な88歳米寿のお祝いが 本当の意味でも長寿祝いとなるのではないでしょうか。誰しも健康であり、社会の役に立ちながら長生きしたいものです。私の義父は88歳で他界しましたが、本当に健康でその存在だけで家族の要のような人でした。
ですが 誰しも寿命はあるものです。そんなことを義父が亡くなってから染み染みと感じるのは 家族が取り立てて心配することがないほど健康だったからですが、心臓や血管など臓器に寿命があり、それは本人の意志と関係なく老いるのだなあと感じたからです。
他界してから あの時一声かけておけば よかったと思うことも多々ありましたが、最後に云いたかったことは「ありがとう」の一言に尽きます。普段から何気なく使う「ありがとう」の言葉ですが、どれほど言葉を尽くしても「ありがとう」の5文字に集約されてしまうと思いました。本当に、私の「ありがとう」は義父に伝わっていたかどうか 今も不安に襲われる時がありますが いくら言葉を重ねてもその不安を拭い去ることはできないと思います。だから、残された家族はお弔いをして心の平穏を求めるわけなのですが。
だからこそ 元気な時に「ありがとう」をカタチに残すことがご長寿へのお祝いとともに、共に時間を過ごす家族の幸せでもあると思うのです。近しい家族のお祝いをする気持ちは、時として照れくさいこともあるかもしれません。ですが、お祝いするご長寿の方が傍にいてくれるからこそできる幸せ。いつでもお祝いできる、という気持ちがのちの後悔になりませんように。(ご長寿のお祝いの気持ちをカタチにしたフォトフレームはこちら)