写真は 大好きなノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell、1894年2月3日 – 1978年11月8日)の本です。最初にノーマンロックウェルに出会ったのは偶然にもラジオから流れてきた 兵庫県淡路島にロックウェルの美術館(アルファビア・ミュージアムパーク)があるといったニュースを聞いて 訪問したのが最初。その美術館はカネボウ織機の100年前の倉庫を改装したもので 彼の描いた70数枚の原画を含め 版画シリーズや 「SATURDAY EVENING POST」の47年分の表紙など素晴らしいコレクションが展示されていました。アルファビア開設は 1995年11月でしたが そう、忘れもしない1995年1月は 神戸・淡路大震災の年です。そんななか ひっそりとアルファビアはオープンし 2000年11月 約5年で閉館となりました。
私が次女を出産したのは 1995年2月。神戸・淡路は橋を渡ってすぐ隣なので 出産は体調のこともあり赤十字病院で出産したのですが 先生方はほとんど阪神方面に出向かれ、また病室も満杯、妊婦さんは基本、病人じゃないので(笑)隅っこで小さくなっておりました。あの頃は毎日ニュースで震災の悲惨な状況が流れ、私も大阪に住んでいたこともありますし、神戸も見慣れた街だったのでなんだか悲しいキモチでいっぱいでした。みんなから祝福され幸せ気分になれる出産というお祝い気分のはずが なぜか暗い気分。その上 同じ日に出産した実家の向かいのお母さんのお子様がダウン症で生れ それを間近でみていた私は どうやって子供を育てていけばいいのだろう?と考えてこんでしまいました。
そんなとき 1998年の夏、ラジオで聞いて行ったのが ノーマンロックウェルの美術館 アルファビアです。そこに描かれていたものは古きよきアメリカの市民生活でした。年代的にアメリカに強い憧れも持っている世代なので(^^ゞ その世界観にどっぷり浸ってしまい・・・当時はネットで物を買うということを知らなかったので、美術館にいっては 大判のポスターをちょっとずつ買い集め 額に入れて家中のトイレから廊下 リビングなどあちらこちらに飾って「自分が目指す家族像はここにある!」となんの疑いもなく子供の成長とともに絵を入れ替えては楽しんでいました。
今でも 家族とは?といわれればよく分りません。でも、私がノーマンロックウェルから学んだことは 目指すカタチをイメージすることの大切さです。ロックウェルのキーワードは 「Home,Sweet Home (ここがいちばんあたたかい)」です。私のなかで、家族をテーマに15年以上ノーマンロックウェルの絵に囲まれて過ごした日々は とても心地良いものでした。弊社の工房にも 数多くのノーマンロックウェルを飾っています。美術館のようには行きませんが お越しいただけた時にその世界観をちょっとでも見ていただけたら幸いです。