この季節になると部屋が乾燥しているせいか、さっぱりしたビールを美味しく感じます。
お鍋が出来上がるまで待ちながら飲むビールは本当に美味しく思うのですが、昔はこのビールの苦味の美味しさというのがわからず、なぜ麦茶を飲まないのかな?と思ったものです。
これは大人になってから味の濃い野菜の代表格のようなピーマンが食べれるようになったり、ビターのチョコレートが好きになったり、山菜や野草などあく抜きして食べる野菜も食べれるようになったりと、ビールの苦味も後天的な経験の嗜好から変わってくるやアルコールによる快感から習慣化して平気になるなどといわれています。
人が感じる味覚には 甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5種類あって、それぞれの場所にある味蕾で味を感じるのですが 実際ははっきりとわかれているわけではなく、微妙に重なりあって味を感じるそうです。ただ、ビールのような苦味だけは独立して舌の奥のほうにありビールの「喉ごし」というのもこの奥の部分で感じます。
苦味が他の味覚と違って独立しているのは 生物の五感 視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚のなかで 体に食べ物を入れる時にからなず通る最終通過地点であり、すでに安全かどうかではなく、体に有益かどうかを判断する場所となっているようです。苦味のあるゴーヤは血糖値を下げたり、身近な日本茶はカテキンで抗酸化作用があったり、そしてビールの苦味成分はビールの製造に欠かせないホップに含まれる味のせいではあるのだけど、この苦味には抗炎症作用や抗がん作用があることが知られています。
また特定の苦味フェニルチオカルバミドを感じない人が4人に一人いるそうです。逆にいえば苦味に敏感な人はそれだけお味に敏感といえるかも。子供が苦味のある食べ物を苦手なのは、それだけまだ味に敏感ということなのかもしれませんね。ただ、何ごとも「過ぎたるは及ばざるが如し」で食べ過ぎは体に良くないですね。ちなみにビールをグラスに移してから飲むのが美味しいのは、苦味がまろやかになるだけでなく炭酸の調整にもなります。せっかく飲むのなら美味しくいただきたいものですよね。