この季節になると「ひなまつりを祝う」と題して、草月いけばなのグループ展が徳島県西部にあるうだつの町並み吉田邸で行われます。

残念ながら、この季節は仕事や学校行事に忙殺され出展するまでに至らず・・・お花は好きなので 広い場所で好きなように活けてみたいと思うのですが、まだ遠い目標です。
華道をステキと思うところは その花が一番キレイに見えるように活けてあげること。そのためには まだ元気な葉っぱを取ってしまったり、場合によっては花びらさえも取ってしまいます。そうはいいつつも、虫に喰われた葉っぱを残したり、自然に成り立っている葉をくねくねと手の熱で曲がらせたり。人が手を加えることによって、その花が美しさを増すように活けなければ 野に咲く花と変わりません。せっかくお花の命をいただいて活けているのですから、美しくして活けてあげたいと思っての華の道です。
先生曰く「なにを伝えたいか、意志を持って生けること。」そして、生け終わった花には その人らしさが少なからず表れているそうです。だから先生の指導は いつも同じ花材でもその出来上がりは生徒ごとに見事なまでに違うのです。ある程度お稽古を積むと「こんな風に活けたい。」という想いがでてきます。いろんな花を見るうちに自分でアイデアがでるようになってくるからでしょうね。そしてその時 初めて気づくのです。「イメージするように花が こっちを向いてくれない・・」そう、技術が未熟なゆえの歯がゆさ。そこからのお稽古は 「どうしたいか」がイメージできているので、それをクリアするためのお稽古ですから熱が入ります。と、同時に先生の偉大さが身に染みます。
もちろん、花は全部違うわけですし、枝もの、葉もの、花ものによって扱い方も異なってきます。それでも自分のイメージしたものを活けたいと思う心は練習を楽しくさせてくれますし、どこに視点を置くかでもイメージはどんどん変わってきます。伸びやかさを表したいや、華やかにしたい、また置く場所が決まっているお花であるなら リビングに似合うようにしたいや玄関先でのお出迎えにふさわしいものとか。
人とお花は似ています。その人の一番いいところを探して そこが際立つようにする。見方を少しかえれば短所は長所になり、長所は短所にもなる。ただ、お花と違って人は 自分の一番いいところが分かっていない事が多いかも。それを一言アドバイスするだけで その人にとってはかけがえのないギフトになると思ったりするのですけどね。そんなことを思いつつ、また来年に向けての華道展への練習が始まります。