「自分の皮膚と肉が焼けた臭いがしても作品を落とさなかった時一人前になったと思った。」Byトラビス・フリンク
吹きガラスを始めるにあたり、化繊の服は着ない(焼けて皮膚にへばりつくから)髪や眉毛が焼けることも有り・・火傷やキズを恐れてはガラスはできない。吹き棒の鉄で火傷するくらいならガラスで火傷したほうがマシ・・・一体いくつの恐怖名言を聞かされたことか(笑)そのなかでもトラビスさんの皮膚と肉が焼けた臭いがした時発言は室温42度以上の吹き場で話しを聞きながらも背筋にゾクッと寒さが。
ガラス作りは鉄や紙(特に新聞紙)木材に水など自然のものの中で作られます。人工的なものはあまりなく、人と炎がガラス素材(珪砂)を溶かしながら自然のもので再構成し作り上げる産物。ある意味、人と炎の戦いです。溶解炉から炎が顔を出してかかってくるときは思わずカルシファー(ハウルの動く城)を思い出すほどです。そんなカルシファーも実はとってもいい奴。まさしく人とは共存共栄しての間柄。なので実は炎と人は戦っているようで遊んでいるようなものかもしれない。もちろん、ガラス好きが前提ではあるのだけど。
その点トラビスさんはガラス好きゆえか ガラスのコントロールが上手。すでにガラスを始めて10年の歳月が流れているけど、コントロールができるようになった、思った色や形がそれなりにできるように思えるのに7年ほどかかったとか。そのきっかけとなったのが火傷を負っても作品を手放さなかった自分に気づいた時だとか。さすがの一言です!