昔からコナン・ドイルのシャーロック・ホームズが大好きです(^^ゞアガサ・クリスティも好きだし、名探偵ポアロやミス・マープルも好きです。共通するのは いまNHKのBSでハイビジョン・リマスター版として放映れているということです。1984年にイギリスBBCで制作されたテレビドラマですが、映像もあらすじも古さをまったく感じさせません。
昨晩はシャーロック・ホームズの「三破風館」を見ました。話の内容は社交界の花形に恋した男性が捨てられ、その花形の彼女が雇った悪者に暴行を受け、それが原因で亡くなってしまうというお話。書いてしまうとなんということはない話しですが これにシャーロック・ホームズが絡むとミステリアスになり、ロンドンの社交界も描かれ、一気に気持ちをベーカー街に連れていってくれます。
そんな物語の中ででてきたのが その捨てられた男性がもっていた懐中時計のようなペンダントで、その中にはその恋しい彼女の写真が。いまの時代ならスマホ内に写真があるだけで肌身離さずとなるのでしょうが、シャーロック・ホームズの時代ですからペンダントトップに写真を収めることが肌身離さずの証となったのでしょうね。
そしてそのペンダントトップには細くキズのように彼女のイニシャルが刻まれていたのです。その手法がグラスリッツエン。ガラスや金属をダイヤモンド針で彫り、イニシャルや模様を刻みます。
今でも趣味で作る方も多くおり、人気のアニメやペットなどグラスや金属に陰影をつけて彫ります。なんといっても1点ものしか出来上がらないので(時間も膨大にかかるし)プライベートな作品として家庭から外にでることはあまりないでしょう。本当の手彫りですし彫刻刀よりスローなのです。それでも最近ではリューターも高性能になり、作品を仕上げる時間がだいぶんと短縮化されました。
同じガラスを削る技術でもグラヴュール(回転する銅円盤にガラスを押し付ける方法)は、かなり早く彫れます。私もグラスに名入れをしてもらったことがありますが ものの5分で出来上がり。サンドブラストも真っ青!バカラやマイセン、日本のカガミクリスタルさんもグラヴュールで模様付けしたガラスを多く扱ってますよね。
それでもやはり基本はグラスリッツエンかな。それを少しでも早く加工できるようにいろんな技法が生まれたのでしょうが、コナンドイルの描く世界ではまだグラスリッツエンだったということですね。