芸術の秋です!日本各地ではお祭りや発表会が催されているのではないでしょうか。私は出品するというよりも観る方が専門ですが、美しい工芸品は鑑賞するだけで心がワクワクします。特にガラスは「どうやって作ったのかな?」から始まって「この色目を出すのは大変だったよね。」など、見ていて飽きません。当店でも販売しているトラビスさんのフラワーベースも県の美術展に出展されていました。いつもは間近で見ているフラワーベースが広い会場のショーウインドウの向こう側に飾られていると、なんだか遠い存在に思えたりするものです。
先日、娘と一緒にラーメン屋さんでラーメンを食べることに。テーブルに出されたラーメンを前にスマホで写真を撮っていると、娘から「作ってくれたお店の人に失礼やから早く食べて!」と注意されました(^_^.)もっともな話で、伸びたラーメンなど元々がどれほど美味しくとも味が落ちるのは必至で、親ながら恥ずかしく思ったものです。それでもラーメンの写真が一枚手元に残るとラーメンの美味しさとともに一緒に食べた楽しさやその前後の出来事も思い出となり残りそうで ついついスマホカメラに手が伸びます。
工芸品の場合は、食べ物やお花などのように寿命があるものではなく、カタチあるものとして手元に残ります。特にガラスは風化することもなく、時々触ってあげることで その輝きが戻ってきます。当店のガラス製品たちは記念品としてお手元に大切に残されることを想定してお作りしていますので、その製作は真心を込めるだけでなく技術も確かなものとして作り上げています。
とかく、工芸品は人の手間ひまの時間と比例して評価されることがありますが、私たちは作家である前に職人なので、一日のその大半の時間をガラスを彫ることに使っています。熟練するということは「正確かつ早い」ことに繋がります。そういった技術で時間が経っても風化することのないガラスに文字を刻んでお届けします。
美味しいラーメンはテーブルに出された瞬間の味が命というなら、私たちがお作りするガラスは時間に関係なく輝きが失せないものと言い切れるよう日々精進します(^^)v