2013年の秋頃、あちらこちらのガラス作家を訪ね歩いていた時期がありました。最初に出会ったのが金沢市が若手作家の創作活動のために元小学校を改装して設立した牧山ガラス工房で創作活動をしている艸田さん。ガラス工房で作っているものは すぐにお持ち帰りできないとわかっていながらも 「他のガラス工房ってどんなところだろう」と、興味津々で訪問させていただきました。
その艸田さんが得意とするガラスの工法がピンブロウ。一般的に吹きガラスというと「宙吹き」や「型吹き」ですが、ピンブロウは、蒸気を利用して作る技法。実は この一番最初に出会った人こそが、「ピンブロウといえば艸田さん」といわれるほどの大御所でした。艸田さんの作品は持ってないのですが ピンブロウで作ったお皿。野村先生の作品です。
なにが好きって、ピンブロウで作ったガラスのの立ち上がり方が好きなのです。横からの画像だと分かり易いかな。それと付け加えるならアシンメトリーな出来上がりも大好きです。
で、このお皿にサンドブラストを施すとなるとお皿裏側からになります。表面にすると食器として使った場合に汚れが加工面に付着しやすいし、洗う時も手にひっかかります。基本的にはお皿というよりガラストレーでお使いいただけたら嬉しいので裏面加工にするためにシートを貼ってみました。
デザインも緩やかな円錐状のものがきれいかなと思っているのですが、作品展が終わったばかりで なかなかよいモチーフが浮かび上がってきません。なにが大切かってこのサンドブラストするデザインがいかに大切かということは、どれほど先生に言われ続けられたことか。
これはお料理と一緒で、ガラス素材が美しいものは そのまま食べても美味しいトマトみたいなものです。ですが、それをトマトジュースにしたり、イタリアンに混ぜたりとすることで そのトマトの美味しさをより引き出さすことができます。よい素材に細工をし、よりパーソナルなガラスへ。さて、何を彫ろうかな。