暑い夏の終わりに ガラス作家のトラビスさんがお願いしていたフラワーべースを持って やってきてくれました。トラビスさんとの出逢いは2年程前になるでしょうか。サンドブラストというガラスの作業でいうところのコールドワークは15年以上続けていましたが、もっとガラスのことを知りたいと思い吹きガラスのようなホットワークに興味を持ち始め、ガラス作家さんの個展に足しげく通っていた頃でした。
ガラス作家さんの命はそのオリジナリティだと思います。ではそのオリジナリティはどこから生まれてくるかというとそのガラス作家さんの見たものや経験したこと、返せば生まれてきた環境や育った地域などがかなり影響してきます。そういった意味でコロラド生まれのトラビスさんのガラスは 今までみた日本のガラスと違うものを感じました。かといってそれが、アメリカっぽいという異文化を強調したものではなく、何かしら和と洋を融合したような感覚。
今回お持ちいただいたガラス作品の中でも左端の白いフラワーベースは陶器を思わせるような仕上がりになっていませんか?それでいて色合はとてもポップ。ガラス作品なのに、ガラスらしさにこだわらないその大らかさが私はとても気に入っています。和にも洋にも媚びない、そんなスタンスを私はトラビスさんのガラス作品から受け取ることができます。
トラビスさんの作品は本当に世界に一つしかないガラス作品です。私は趣味で華道を嗜むので ついついお願いしてフラワーベースばかりお作りいただいています。華道の世界では花器をオーダーメイドで作られる方やご自身で作るようになる方も多いのですよ。私自身が花を活けてみたいという花器を これからもトラビスさんにお作りいただいてまた、こうやって皆様にも少しでもガラスの世界を身近に感じていただけるようお伝えできることができれば幸いです。もちろん、身近に置いていただけば もっと幸いです。(販売中のトラビスさんのフラワーベースはこちら)