よく耳にする職人という言葉。
Wikipediaでいうところの「自ら身につけた熟練した技術によって、手作業で物を作り出すことを職業とする人のこと。」だそうです。
日本人は 昔から職人という言葉が好きなような気がします。大工・左官・庭師に始まり、町工場のおじさんやお寿司やさんなどなど。先日はTVでお笑いタレントの芸にさえも「職人芸」ですな。と賛辞を送っていた場面がありました。どんな時にふっても瞬時で答えてお客様を笑わせることができる、だから安心して場が白けてきたら投げかけて、その場を和まさす。もちろん、それはその芸人さんの才能でもあり、努力もあることでしょう。
別の側面からは 職人気質といえば「自分の技術を探求し、また自信を持ち、金銭や時間的制約などのために自分の意志を曲げたり妥協したりすることを嫌い、納得のいく仕事だけをする。」といった芸術的職人としての考え方もあります。
ですが、私は前者のお笑い芸人のほうが職人として納得のいく答えだったりするのです。なぜなら芸人さんの喜びは会場にこれらたお客様の笑顔なわけですよね。その笑顔を必ず引き出せるという技は本当にスゴイと思います。
じゃあ、当店における職人とは・・・もちろん、お作りさせていただいたものをお届けしてお客様に喜んでいただく!実はこれは当たり前のことであって、、、
その裏には 100個のワイングラスを手作業で名入れさせていただいてもその狂いは2ミリ程度までというこだわりがあるのです。実際に、ペア販売のワイングラスをご購入されたお客さまで片方を破損されると、「1つだけ」ご購入をご希望される方がいます。当店では 「割られたグラスと全く同じようにはできませんよ」と申し上げた上で再制作させていただくのですが その彫刻範囲の誤差は2ミリ程度なのです。特に何か訓練とか決まりごとがあるわけではありません。
それは 制作する側の「こだわり」であったり「プライド」であるのです。誰からもその程度の違いで褒めれたり(実際に計って手作業なのにスゴイ)なんてお褒めの言葉をいただくこともないのですが、 それでも「ものづくり」をしているものはそこにこだわるのです。
じゃあ、なぜそこまでできるか。それは個人の資質にもよりますし、なんといっても量稽古が多いことに尽きるでしょう。印刷加工だとその2ミリの狂いもないです。 しかしながら その2ミリの差を縮める努力を日々突き詰めている当店の職人たちが作ったグラスにはやはり印刷加工では醸し出せない温かみがあります。それがお客様の笑顔につながることと信じて、当たり前のことを当たり前に。今日も当店では そのこだわりをもって商品をお作りさせていただいております。