エッチングガラスはご存知のとおり(?)ガラスを彫る/彫らないしかありません。
彫った部分は白いスリガラス状になり、彫らない部分はそのまま透明のガラスです。もちろん、ガラスのほとんどを彫ってしまって、彫らない部分を少しだけ残す浮き彫りなどもありますが、基本的には少しの部分を彫る方がキレイです。なんといってもガラスらしさがでますからね。
お客様の中にはオリジナルで!というご要望とともにお写真のようなものや斜のかかったものなど画像でいただくのですが、残念ながら対応することはできません。
イメージとしてお手元のデザインを白黒のFAXを通したとお考えいただければ嬉しいです。最近ではロゴといってもカラー対応のものしかなかったり、非常に複雑なものとかもあり、てこずることも多いのですが、細かいエッチングはかなり対応できます。
当店の商品で 同じガラス製品でもお値段が違う意味がそこにあります。細かい精密な柄には、お値段的にお高めの マスキングシートを使います。毛筆の筆払いも再現できます。通常のマスキングシートならボールペン程度でしょうか。実はこのマスキングシート、お値段が高い分簡単に扱えて、上手にできるでしょ、と思われるかもしれませんがそう簡単にはいかないのが手作りの現場です。(涙
まず シートの保管の温度、そして洗い出しの水の温度など様々な気遣いが必要なのです。あんまり書くと次のネタがなくなってしまいますので 今日は簡単にしか述べませんが、要するに高価なものもそれを扱う人次第なのですね。
当店の職人においても 普通のシートでも精密なシート並みに繊細に洗いだしする人がいます。逆にあまり経験を積んでいない人は、容易に精密シートで洗い出しができる模様さえもぐちゃぐちゃにしてしまいます。 違いは手順とか要領の良し悪しとか器用さでもなく、ひとえに湿度と温度 何より経験に裏付けされた感というものでしょうか。
今年も暑い夏がやってきます。外が暑いからといって室内が暑いわけではなくクーラーをつけます。そうすると夏なのに乾燥します。そういった肌感覚で精密シートを上手に扱う職人は当店にとっては貴重な存在です。 もちろん、それまでにいかほどの失敗をしてきたかは、さて置いといても、積み重ねた時間はお金には換算できない大切な財産なのです。