6月の異名といえば水無月。
さとうガラス工房の隣は田んぼですが、この時期は田んぼに水を勢いよく引いています。水無月の語源は、その地方により諸説あるでしょうが、私としては田に水を引く月だから水無月に一票を投じたいところです。
調べてみると、6月の異称には涼暮月、蝉羽月、鳴神月、風待月、葵月、等々多くの呼び方がでてきます。単純に6番目の月で6月と呼ぶより、どれも風情がありますよね。それだけ、風を感じ 雨を楽しみ、月を愛で、緑を慈しむ季節なのかもしれませんね。
確かに、田に引く水音さえ気になる季節。もう少し時が経てば、水音など蝉の合唱に掻き消されることでしょう。でも、こんな些細な音や色を楽しむことができるのは有り難いことです。4月は年度初めでバタバタと時間が過ぎ、5月はゴールデンウィークなどで心浮き、6月の梅雨空だからこそ晴れを待ちわび、新緑から万緑への山々のグラデーションを楽しむことができるのかもしれません。
日々のささやかな違いを見つけることは、モノを作る人間にとって とても大切な力です。ふだんと同じように作ったつもりが どこかしら違う、なにかしら雰囲気が変わってる。そうゆうことがあります。百個モノをつくれば百個どれも同じようにできることが職人としてのクオリティだと思っています。例えば百個の内、1つ駄作があるとしても その1つも誰かの手元に行くことがあるからです。それが駄作かどうか モノを作っている途中の早い時点で分かるほど、作業の無駄は最小限に抑えることができます。
それを感じる力は 梅の実が少し膨らんだり、田んぼの水の量が昨日より多かったりすることに気づく力と比例しているように思うのです。なんだか違うような気がする。それが何なのか 良い方向なら新たな発見であり、悪い方向なら無駄となります。なので、自然いっぱいの中でモノ作りができることはとても幸せなことなのです。そんな自然の中でお作りさせていただいてます。(→長寿を祝う米寿祝いのフォトフレームは
こちら)