義務教育(中学校)が終わると高校では文系・理系・商業高校や農業校など、また大学ではもっと専攻が分かれて、音楽大学や芸術大学など、また文系・理系の一括りではなく、機械科や電子科、国文科や英文科など、それぞれに分かれて行きますよね。
例えば、仮に商業の道を選ぶとそこから工業への道への転身は難しいものです。ですが、職業として突き詰めて行くのではなく、自分の人生を豊かにする楽しみとして その道を歩むことはそれほど難しいことではありません。美術館や図書館など、美術館は芸大出身の方しか行かないという場所ではなく、好きも嫌いも視力さえあれば楽しめる場所ではないでしょうか。また図書館も、文芸好きでなくとも文字さえ読めれば 楽しく過ごせる場所ではないでしょうか。
私は根っからの文系ですが、美術館も図書館も大好きです。スキー場だって、テニスコートも好きです。なにが好きかって、描かれた絵を見て、そこから描いた人のストーリーを感じることが楽しいし、テニスだって、コートに立つ選手のそのメンタルを思うとどんなプレーにも拍手喝采を送りたくなります。人が介しているものは、その人の時間がそこにはつぎ込まれています。のほほんと自分が過ごしていた時間を、そのステージに立っている人は手間暇かけて紡いだ結果です。それは賞賛に価する価値だと思います。
私達の仕事は ガラス工芸なので一年のほとんどを、一日のほとんどをガラスのデザインや制作といった時間で費やして行きます。ですが、手工芸なので その作業は創造性やアイデアより技術の研鑽といったウェイトの方が高いでしょう。
自分たちが手を介したガラスが誰かのために役立つことは、自己満足のガラスを作るより意義のある仕事だ自負しています。そう思っているからこそ、休日は自分のためだけのガラスなどを作ったりもするのです。