今朝のニュース番組で東京スカイツリーの窓ふきの様子が流されていました。地上450メートル上のスカイツリー天望回廊を作業員二人が手作業で窓を拭く。窓拭きなどはロボットが得意分野のような気がしますが、車の洗車や庭の水やりも、機械任せでは隅々まで気が回らないというもの。汚れのヒドイところはより丁寧に、キズなのか汚れなのかは手触りで確認しながら・・やはり人の手は最強ということなんでしょうね。
「私、不器用なので。」と謙遜とも事実とも見極めれない言葉を耳にすることがあります。器用・不器用の判断は、何かしらの基準があるわけではなく 本人の自己申告によることが多いからです。その人にとっては不器用というレベルが他の人にとっては神の手のごとく・・・なんてこともあったりします。
この言葉は私どものガラス工房の採用面接のときに必ず尋ねる質問です。「手先は器用ですか?」その答えと器用さが比例するかどうかは作業を実際にしていただくとすぐにわかるのですが、それよりも指先を見るとほとんどの場合わかります。例えば、ネイルアートをされている方は器用な方が多いですよね。爪をキャンパスに絵を描くわけですから、ミリ単位の仕事です。ですが、それだけではなく、指先を使う仕事をする方は指先のお手入れが行き届いていることが多いのです。
実際に手作業をすると指の腹や爪先の感覚はとても重要になります。目で見えなくとも手でなぞることで、その違和感を感じることができます。これは窓ふきなどをしていても感じることができますよね。窓ガラスのキズなのか汚れなのかは目でみるだけでなく、触ればすぐに答えがでますもの。
当店が作り出すガラスの花は、ガラスを砂で削り落とすことにより制作します。なので、ツルツルとした表面をスリガラスのようにキズを細かくつけることで完成するのですが 均一にスリガス状になっているかどうかは 目で確かめることはできません。サンドブラストした上を手でなぞったり、出来上がったガラスを撫でて触ることにより その精度を確かめることができます。そのためにも指先は大切な道具なのです。そうやって、手間をかけてこそ 美しいガラスの花ができると思って今日もガラスを撫でています。(→ガラスの花束のフォトフレームは
こちら)