開店の当初から使っている彫刻柄。
すでに15年は作り続けている不滅のハートにキューピットのエッチング模様。
さとうガラス工房はサンドブラストによるエッチング彫刻専門のガラス工房ですが、そのベースになるのが彫刻させていただくエッチング柄です。今でこそ画像処理ソフトが充実してきたので、いろんなエッチング柄やオリジナルデザインのものをお作りしていますが、開店当初は画像ソフトが世の中にあるということもよくわかっていなかったし、そのうえコピー機もファミリーコピアという家庭用しか持ち合わせていませんでした。また、プリントする用紙も現在は工夫を重ねてトレーシングペーパーを利用していますが、当時は普通のコピー用紙・・・(そもそもファミリーコピアでは コピー用紙にしかコピーできなかったかと。)
メディアの方に取材していただくときに「どれぐらい修行されましたか?」や「どこで習われましたか?」「誰に教えてもらいましたか?」などご質問をお受けしますが、はっきりいって独学です。2000年の頃からパソコンやデジタル機器は急速に発達し、また手の届く価格になってきました。サンドブラストの機器自体はそれほど進化をしていませんが、その周辺で使うものはどんどんと進化して行きました。ある意味、誰かに習っていたのではその進化にはついて行けなかったでしょう。「習う」ということは、情報を整理して教えてもらうので、短時間で理解しやすいですが、すでにその時点で最新の情報ではありません。自分で最新の情報を収集して工夫を重ね、失敗もしながら試行錯誤することで、経験を重ね、より良いものができあがるように思います。誰かに師事していれば、今のように販売などせずにサンドブラストをすることだけの技術を磨き、アート系を目指していたかもしれません。今でも、ちょっと目指してみようかな・・と、思う時もあったりするのですが、それよりも「お祝いの席にガラスの記念品が間に合ってよかった。」や「プレゼントしたらとても喜んでもらえました。」の声を一つでも多くいただける方が嬉しくなります。
15年前に作ったものと今作るものでは 同じエッチング柄を使っていてもその仕上がりには差があります。技術も上がったし、マシーンの性能もよくなりました。周辺機器は、毎年のようによくなっていきます。まわりのスタッフも芸大出身者などデザインの基本を幼い頃から学んでいる人が助けてくれますし、イラストレーターの資格やラッピングの資格をもったスタッフにも恵まれるようになりました。少しでもよいガラスギフトを作り届けたいという私の想いはこれからも徹底して行こうと思っています。
そして、そんな風に環境が変わっても、ずっと愛されご購入され続けるエッチング柄というものがあります。あまり人気のないエッチング柄はその時々で新しいものに入れ替えているのですが、毎週集計するエッチング柄でもこのハートにキューピットは不動のベスト10入りを果たしています。
とっても嬉しいことです。やっぱり気持ちはハートなんですよね。私はガラスギフトで暮らしに「愛」を感じてもらえたらいいなあと思って制作活動を行っています。「想いをカタチに」がキャッチフレーズではあるのですが 想いってなんだろう?と考えると「愛」なのですよね。「愛」のカタチはハートかなっと思うと、このエッチング柄がずっと愛されていることがとっても嬉しいのです。
実は、お名前を&で結ぶのではなくご要望があれはハートで結んだりもしております。
まるで「マクドナルド」の「ピクルス多めで」みたいですが。(笑 気になりましたら、ご注文の時に一言お書き添えくださいね。ブログも読んでみるとちょっとラッキーでしょ。すべては「愛」。