地元でソーシャルメディア都市宣言のイベントがあるということで参加してきました(^^)
残念だったのは 到着して1時間後ぐらいに至急の用事で工房に呼び戻されたこと。これが県外出張ならそんなことはないのですが なにせ車で5分の距離。呼び出すスタッフも気軽なものです。なので せっかくのUstreamのお話が最初の方しか聞けなかったのですが、それでも休憩時間に関西ウォーカー編集長の玉置さん少しだけでもお話をすることができ実りあるイベントでした。で、玉置さんに触発されてちょっと語ってみました。
当店のある阿波市土成町は本当に平和な田舎町です。
北を阿讃山脈 南を吉野川に遮られた それでも自然豊かで東京や関西に向かう 高速バスの停留所もあるし、高知や香川にも近くて便利です。農業も盛んでいちごやぶどう、隣町ではレタスや水菜の栽培もされ 「たらいうどん」という名物もあります。そして歴代総理大臣の三木武夫さんの出身地でもあり、温泉も出ます(^^)
私はもともとが地元の人間ではないし、港町に近い環境で育ったので 山あいの町での暮らしはなかなか馴染めなかったのですが22年も暮らしていると愛着も湧いてくるというものです。
でも、以前にもブログで書きましたが なぜココで仕事をするか!です。
2008年にガラス工房を建てようと思った時、徳島市内やもっと交通の便のいい場所への移動も考えたのですが、敢えて阿波市から動きませんでした。それは、四国八十八ケ所のお遍路さんの通り道にあり、また土御門上皇の終焉の地であるなど いろんな歴史的背景も含めて この地が好きだったからです。
ここで暮らし始めたのは1991年。
それまで 大学を卒業してから徳島市内の専門学校でマーケティングの講師とその学校の広報という仕事をしていて、社会人としての基礎を学ばせていただき、また大学で学んだことが活かせれる(大学では社会学部産業心理学専攻でした)楽しい職場でした。なのですが、結婚と同時にこの地に住むようになり、毎日の通勤が大変なことと長女の出産のこともあって退校。なにせ私の夢はずっと「専業主婦」でしたから、ある意味夢の実現です。(^^)私は両親が働いていたので 自分は子育ては自分の手で全部したいと思う気持ちが強かったと思います。
しかし、さすが田舎です。赤ちゃんはおじいちゃん、おばあちゃんが面倒を見るからあなたは外に働きに出なさい、というのがここの土地柄。でも、私は家で自分の子供の面倒をみたい。おじいちゃん、おばあちゃんといっても60代ですから元気なものです(^^)そこで、これだと私の子育てする夢は破れると思い、自宅で学習塾を始めたワケです。毎日3~4時間労働ですが それでも家から出ることなく子供と一緒に暮らすことができます。おかげさまで前職の経歴もあって生徒は徐々に集まり、忙しくさせて頂きました。ここの土地柄は本当に教育熱心なのです。当時も徳島県は女子の短大進学率がナンバーワンという(時代は1990年代の話しですよ。)勉強熱心なこともあって2006年春まで自宅で学習塾を続けさせていただきました。だから教育産業というものに大学を出てから 約18年間は携わってきたことになります。ちなみに大学卒業後の第一希望の職種は高校の社会の先生でした。
基本的に子供が好きなことと、教えるということより 学ぶことが好きなのかもしれません。学校の先生って教えるのが上手だとか知識が豊富だとかそれぞれ個性があるかと思いますが少なくとも私はこの子が躓いているのはどこかを見つけるのが上手だったと思っています。大学の産業心理学も要するに人間観察が基本なわけですから 子供に限らず 「人」が好きなのでしょうね。それから学校というところは常に1年サイクルで物事が動くのも好きでした。他の仕事をしたことがないのでわからないのですが始業式に始まり、終業式で終わる四季を感じる仕事だったと思っています。
実際このガラスの仕事は趣味から初めて 1999年12月12日にホームページを開設。最初のお客さまが2000年1月2日にお買い上げいただいた愛媛のお客様。本当に今から想像できないくらいひどいホームページからお買い上げいただき、また買っていただいただけでなく 画像が大きすぎるだのテキストがとんでいるなど 顔を合わせたことのない私に丁寧に教えてくれました。それもお客様としての立場で。もう感激です!教育産業は対面でのサービスです。それが見ず知らずの私にこれほど優しくしてくれる!そして自分が作ったガラスという製品でその方たちが喜んでくれる!なんとも不思議な感覚でした。たぶん、そこに商売という意識はなかったですね。というより、親戚一同誰ひとり商売人がいない家系でもあります。
今も最初のお客さまのことは忘れられません。今私たちがあるのは、そういった立場に関係なく支えてくれている数多くの皆様や、今回のイベントのようにご縁をいただいた皆様のおかげと思って心から感謝しています。そういった人たちに私たちができること、それはただひたすら いただいた注文テキストを読んで、また単に読むだけでなくそのご注文の行間を読み、真摯に仕事をすること。これはいまの弊社のスタッフにも徹底させていることです。悲しい話を聞くとそれだけで涙がボロボロとでて、嬉しい話を聞くとウキウキします。スタッフには「感情の起伏が激しい」と言われますが、それが人生の喜びであることは信じて疑いません。だから 私はうちはガラスをブラストして売るだけの仕事ではなく、その想いを汲み取って心を込めて制作するのが信条であると言い切って止みません。
それができなければ当店のスタッフである意味はナイし、「さとうガラス工房」の看板は下ろすべきでしょう。ホームページには素材がいいこと・技術があること・贈り物としていいことなどを書き連ねることは簡単です。でもその裏で私たちの想いは、お客様の想いを再現すること。「想いをカタチに。」その一言に尽きるのです(^^)
珍しく語ってしまいました。阿波市万歳!Utreamのスクリーンショットから
これからもどうぞ 優しくお見守りくださいませ。