使う姿を想像する。

カテゴリー: ガラス雑記 , 日々のなかで
パート・ド・ヴェールは フランス語で「ガラスの練り粉」という意味。型を作り、その中に砕いた色ガラスに糊を混ぜたものを敷き詰めて焼く、ガラスの鋳造技法です。吹きガラスは時間との勝負のような作業で、ガラスが冷めたら カタチを変えるためにまたガラスを温めなくてはならないので 忙しく作り上げますが、パート・ド・ヴェールはその点、ゆっくりと作業が進められます。 パート・ド・ヴェール 昔から基本をとばす悪い癖があり、作りたいものを紙に書いてから粘土を練り上げればいいのですが、ついつい疎かにしていまいます。(^^ゞ最初に作りたかったのはカメレオンでしたが、それは早々に諦めて、お刺身用のお皿を作ることにしました。(カメレオンは下からLEDライトで七色に照らすなど出来上がり図だけは完璧に頭にあったのですが、技術が及びませんでした。) それでも心意気は、「鳴門鯛を最高に美味しく見せる皿」です。出来上がりまでは先の遠い作業となるでしょうが、それでもそのお皿で自分が鳴門鯛を食べるところを想像するとワクワクします。私はモノづくりの楽しさは、それを使う姿を想像することにあると思います。どんなものができるかなあと思う楽しさや、使った時の幸せ感。そんなことを考えると時間が経つのがとても早く感じます。 良いお皿は「鳴門鯛」だけのためのお皿ではなく、お料理そのものを美味しく見せるお皿がよいお皿だと思います。お刺身というカテゴリーで限定したとしても ハマチのお刺身やイカのお刺身、マグロのお刺身 そしてそれらの盛り合わせさえも美味しく見せるお皿がプロが作るお皿でしょう。 それでも、個人的に1枚だけ作るとなると私は「鳴門鯛」にまで限定してしまいたくなるのですよね。鯛全般に似合うお皿でもいいのですが、やはりここは「鳴門」(←渦潮が有名)にまでこだわってみたいなあと。鳴門にも鯛にも縁がない人には 「一体これは?」と思うお皿になるでしょうが、少しでも縁がある人にはそこから話に花が咲くというものではないでしょうか。 私たちはサンドブラストのプロです。私が作ろうとしているパート・ド・ヴェールのお皿は、実際に「鳴門鯛」が上手に表現できるかどうか分かりませんが、サンドブラストならきっと上手く表現できると思います。そこがプロとアマチュアの差だと考えています。 記念品は カタチとして残るものです。もちろん、その人を想いつくられた記念品に勝るものはありません。でも、カタチとして美しく表現されたものを贈りたい、残したい、と思うならぜひご相談くださいませ。お使いいただける姿を想像しながら 美しくガラスに絵や文字を表現させていただきます。
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