とんぼ玉。
ガラス作家の中で一番人口が多いといわれているのが 「とんぼ玉」というバーナーワークです。複雑なものであれば、それなりの設備が必要ですが いざとなれば自宅で簡単に始められることが魅力のよう。また、主婦にとってはガスの炎というのはキッチンで見慣れているものでもありますから、そう敷居の高い作業ではないと思います。
そうはいってもプロの作品となると 早々マネできるものではなく、くるくると丸い玉や簡単な絵付けではなく、小さな(直径3cm程度)ガラス玉の中に壮大な宇宙をが繰り広げられています。私も何度かとんぼ玉は制作したことがありますが、どちらかというと苦手な分野です^_^;パートドヴェールにしろ、とんぼ玉にしろ、やり始める途端にハマる人とハマらない人に分かれるそうです。私は後者の方に当てはまってしまったわけですが、時々他の人が楽しそうにくるくるととんぼ玉を作っているのを観ると、続けていれば面白くなっていたかな?と、思ったりすることもあります。
それでも、きっと上手にはなれなかっただろうなあと思うことが大きいです。昨日もNHKの「凄ワザ!」という番組で、(この番組は高い水準を誇る日本のものづくりの技術力の極限はどこまで高めることができるか、というのがコンセプト)「前人未到の”接着”を目指せ!~金属同士をくっつけろ」の中で、熟練ワザの職人集団「越後・磨き屋シンジケート」と、ハイテクを駆使する研磨メーカー「江戸川・天下一ブラスターズ」がネジや接着剤・磁石・溶接も使わずに金属を持ち上げる頂上決戦があったのですが、ここで勝利を得た天下一ブラスターズが使ったのがサンドブラストの機械。そう、サンドブラストってガラス素材だけでなく、建築資材である金属や木材・石材でも多用されているのです。なので、結構力技的機械!?
サンドブラストとは、コンプレッサーによる圧縮空気に研磨材を混ぜて吹き付け、サンド(砂)ブラスト(風)を意味するのですが、その名称だけでもとんぼ玉と違い荒々しい雰囲気が。私がガラス工芸を教えていただいている竹内先生は、このサンドブラストの第一人者でもありガラスの腐食(エッチング)からガラスのサンドブラストの地位を確立された素晴らしい方です。ちなみに、男性です^_^;竹内先生が とんぼ玉がお好きかどうかはお尋ねしないとわかりませんが、先生の作品はどれも大胆で繊細かつ美しいものが多く 日本の豊かな自然を感じさせます。私もそんな先生の下で、サンドブラストを使って心を豊かにさせる作品を作って行きたいと思っています(^^)v