頑なに職人であることにこだわってきたさとうガラス工房ですが、2014年9月に会社として10周年を迎えるにあたり新しい試みを始めることにしました。佐藤美冬×若手ガラス作家さん。作家さんのガラスに手を加えることは行いたくないと思っていましたが、ガラス制作の企画段階から参加させていただくコラボをすることにより その敷居を低くしました。
最初にコラボさせていただくのはコロラド州生まれのトラビス フリンクさん。日本でガラスを作るガラス作家さんです。アメリカではガラス製品はアートとしての意味合いが強く ヨーロッパや日本はクラフトとしての色合いが強い。そんな国際的な感覚を持ちながらも 外国人ならではの視点から日本様式に興味を持ちガラスを作り続けてらっしゃいます。
築86年の日本家屋に住む私としては、一間の床の間や縁側のある生活・土間やお荒神さんのある食卓などを話しながら作品の色合いや形、大きさをアドバイスさせていただきました。もちろん、トラビスさんのガラス作家さんのイマジネーションは尊重しつつインスピレーションを与える立場であれればと考えています。
すでにトラビスさんの姉のような気持ちの私としては、彼の異国の地での奮闘ぶりをみるとその活動がとても愛おしく思い また地元のガラススタジオで学ぶ仲間としても誇りに思え そうやって頑張ている若手のガラス作家さんに今後 少しでもお役に立てればと思っている次第です。趣味でガラスを作る人は数多くいますが トラビスさんは
2007年 全国国民文化祭 佳作
2008年 ビアマグランカイ 入選
2010年 第18回 テーブルウェア大賞 入選
2010年 第5回 金津創作の森「酒の器展」入選
2011-14年 第50回 51回 53回 日本クラフト展 入選
2012-13年 徳島県美術展 入選
ガラスの作品展に数多く出品しながら技術を磨き続ける有望株です。そんなトラビスさんの作品を手に入れることはガラス好きの方には幸せなことと思い販売のお手伝いをさせていただくことにしました。
トラビスさんのガラスは色の出し方がとてもキレイです。また、フラワーベースの筒状の中にガラスを渦巻きのように細工することでその色に深みももたせています。当店はサンドブラストで名入れをすることが専門ですが そのサンドブラスト位置もガラス作家であるトラビスさんと話し合って決めます。ガラス作家さんの作品はすべて一点もの。それが売れれば終わりです。ですから、当店への納品も私たちのガラス工房近くで活動されて 実際にガラス作品を作家さん自身で納品していただき 説明していただける方に限定します。また、ガラス作家さん本位でガラスを作ることはガラスの作品展出展用に また作家さん自身の技術向上のためにも大切なことだと思っています。それでも、私はテーブルウエアを集めることが趣味であり 華道も嗜む身ですから 使う人が使い易いことはとても大切なことだと思うのですよね。そんな意見も尊重していただけるトラビスさんは私たちにとってもこころ強い仲間です。9月からの販売にむけてページの準備を進めていますので ご期待くださいませ。